推進工事、電線共同溝工事、管更生工事、一般土木工事

推進管用GHキャップ

GH Cap

推進管用GHキャップとは

推進管用GHキャップは、推進管グラウト孔部の凹部を管外周面に近づけることにより、玉石・粗石・土砂の巻き込みを防止し、管周面摩擦抵抗力を低減させ、作業効率の高い推進施工作業を促し、外圧に耐えうる構造です。

GHキャップ
KOA-G090タイプ
GHキャップの特許証
特許第5161948号
施工マニュアル

特 色

  1. GHキャップの設置は推進施工サイクルにほとんど影響なく容易です。
  2. すべての管径に対応可能です。(管径によりタイプが異なります)
  3. 多種の推進工法との併用が 可能です。

効 果

  1. 玉石等による推進管の破損を防止し、推進の進捗を促します。
  2. グラウト孔数に比例し管周面摩擦抵抗力を低減する為、長距離推進工法との併用に適します。
  3. 推進管上部の地 グラウト孔部の山のゆるみ部への裏込め充填が容易に施工できます。
  4. 樹脂製逆止弁の破損を防止し、滑材注入・裏込注入の管内作業効率を大幅に向上させます。

開発経緯

推進工事において玉石・粗石混じり砂礫層におけるコンクリート製推進管による推進工では、推進管周面に点在する転石により推進施工中の推進管が不定部で破損する場合があります。

推進管の破損状況は様々ですが、推進管グラウト孔部における玉石の滑落が原因の一つと考えられ、さらにこの滑落による抵抗が、グラウト孔の数に比例して管周面摩擦抵抗力の著しい増大を引き起こす要因と推測されます。

推進管の破損が大きい場合は、管内に地下水や土砂の混入が起こり、これが致命傷となり推進不可能となる可能性が極めて高くなります。さらに推進工事の正常復旧までには工事期間の長期化や莫大な復旧工事費の追加など様々な懸念要素があります。

また、管内作業において推進管破損時や復旧作業時における災害発生の可能性が高まり、工事全体への多大な影響を及ぼしかねません。この為、出来る限り推進管破損の可能性を減らし、管周面摩擦抵抗力を低減させ低推力の状態で推進を完了させること、また滑材注入や裏込注入の効率的な推進作業を促すことを主点にとらえ開発を試みたものです。

推進用GHキャップ設置例

GHキャップの設置例
GHキャップ設置(推進管上部2箇所)
GHキャップの設置例
注入開口部を推進方向と逆に設置
GHキャップの設置例
GHキャップ設置前
GHキャップの設置例
GHキャップ設置後

施工事例

工事名
補助公共 未普及解消下水道事業管渠築造工事 伊勢崎幹線第1-1工区
工事場所
群馬県 伊勢崎市 境中島 地内
推進工法
泥水式推進工法+周面摩擦低減工法の併用による長距離曲線推進工法
スパン数
2スパン
推進延長
L=461.7m(Sカーブ)
推進条件
管 径:900mm 推進
勾配:+1.5‰
推進土質:玉石・粗石混じり砂礫層(礫径300mm以上.個数不明)

考察

下記の推力推移表のとおり、実施工において元押し推力が計画推力のほぼ半分で推移していることより、推進管用GHキャップの設置効果を推測できます。

※推進管の破損による推進不可能に陥る場合には、以下の状態の発生が考えられる


  1. 管内湧水等により掘進機や管内設備さらに立坑内設備の電気系統が水没し可動不能状態になる。
  2. 管周面摩擦抵抗力が著しく増大し、推進管許容耐荷力を超える。
  3. 推進管の破損が大きく補修・補強程度では管耐力が維持出来なくなる。
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